[結論]:ミラーレスカメラの情報を集める場合、絶対にファームウエアのバージョン確認が必要
- ミラーレスカメラのファームアップは特徴や仕様が変わってしまうほどの内容が含まれている
- ファームアップは発売後数年にわたりが提供され、発売当初とは別のカメラになっている場合もある
- 私のEOS Rの個人的評価が変わったのは2019年9月に公開されたファームウエアVer. 1.4.0
カメラのファームウェアアップグレードとは
昨年、EOS R5 [Canon / Amazon]やR6のファームアップの方法について聞かれることがあった.聞くと、どうも今までファームアップをしたことがなかったらしい.確かに、私も以前は数回程度しかやったことがなく、毎回、緊張しながら時間をかけて行っていた.しかしEOS Rを使い始めてからは一変.年に数回という頻度で新しいファームウエアが提供されるようになった.
デジタル一眼レフのファームアップは、不具合の修正か、若干の仕様変更がほとんどだったと記憶している.そんな中、過去ではEOS 7Dは、Ver.2.0をうたい機能向上が行われた.当時、連写できる枚数の増加とファイル名設定が可能になったことなどを覚えている.連写できる枚数に関してはRAWで5割増しだったとメモがある、連写はほとんど使わないが、撮り続けていた時にバッファが詰まることがほとんどなくなった.2台使っていたEOS7Dのファイル名を変えられるのは重宝したし、他にも色々な機能が追加された.全体的に動きがきびきびしたような印象もあった.
このEOS 7D Ver. 2.0は新しい時代のカメラのあり方を示しているような気がしたが、その後、デジタル一眼レフでは同規模のファームアップは行われていないようだ.
EOS R時代のファームアップ
EOS R [Canon / Amazon]に関しては、約2年+αで7回のファームアップが提供され続けている.そのうち、3回はカメラのスペックが変わってしまうレベルの機能の追加・向上だった.つまりミラーレスカメラの性能をblog / vlogなどの情報を元に比較・検討する場合、記載されている内容が、「ファームウエアのどのVersionに関するものか」によってその内容は大きく異なることになる.特に、実際のカメラユーザーではない(継続的にそのカメラを使っていない)発信者による情報には十分注意が必要だ.
そこでEOS Rに関して、ファームアップが行われたタイミングと内容に関してわかる範囲でまとめた.現在、Canonのホームページにある過去のサポート情報から、以前のバージョンに関する「ファームウエア変更内容」を確認することができない.そこで、私の個人的なメモ書きを頼りに振り返ってみることにする.内容に関しては、できる限り精査しているが、あくまで私的メモからの書き写しであるのでご容赦願いたい.情報発信された日時と比べることで、どのバージョンに関して記載されているかを判断するための材料となれば幸いである.
* ファームウエアアップデートは、商品別サポートメニューデジタル一眼レフカメラ/ミラーレスカメラ/交換レンズの「ダウンロードサービス」から自分のカメラを選ぶ.各種アプリケーションと、最新ファームウエアへのリンクになっている
Ver. 1.1.0 [2019/02]: 連続撮影時のサイレント撮影に対応
ミラーレスカメラ特有機能であるサイレント撮影*1は、発売当初連続撮影に対応していなかったが2019年2月のファームアップでサイレント連写が可能となった.EOS R5 / R6では電子シャッター時に20枚/sの連写が可能なことから,技術的にはメカ駆動部分がない電子シャッターのほうが連写速度は上げやすいのだと考えられる.
*1) EOS Rでは”サイレントシャッター”:これはシャッター音は無音だが、絞りが動く音やフォーカスモーターが動く音などがするため”サイレント撮影”ではないといういう意味らしい.EOS R5では、”シャッター方式:電子シャッタ−”というメニューに変わっている.
Ver. 1.2.0 [2019/04]: 瞳AFのサーボAF(コンティニュアスAF)対応、動画サーボAF対応
私はポートレイト撮影を主業としているが、この瞳サーボAFの登場により撮影方法に大きな変化があった.撮影方法には様々なバリエーションがあるが、それまでは主としてモデルがポージングしたところで瞳にAFを合わせ(ワンショット)その後カメラを振って構図を決めてから撮影をしていた.
それが、
- ミラーレスカメラの広いAF領域のおかげで、カメラを振って構図を作る必要は無くなった
- さらに瞳AFのおかげで、構図に応じてAFポイントを動かす必要がなくなった
- そしてさらに、瞳AFがサーボ(コンティニュアス)対応したことで、モデルがピタッと静止しなくても、動きの中でシャッターが切れるようになった
これが、それ以来、被写体がプロのモデルでない場合に非常に助かる撮影方法であった
Ver. 1.3.0 [2019/08]: 新RFレンズ対応_01
これは良く覚えていないのだが、確か新しいRFレンズ対応だったと思う(時期的に見ると、RF24-240mm F4-6.3 IS USMあたりか).この後も、新しいRFレンズが発売されるとそれに合わせて何度となくファームアップが行われている.
Ver. 1.4.0 [2019/09]: 被写体が小さくても瞳AFが可能
私のEOS Rへの評価が一変したファームアップ、これ以降、人物撮影では基本的に瞳AFを使うようになった.それまでは瞳AFが可能なのは、縦位置でもウエストレベル、横位置ならバストショットでないと安定した瞳AFができなかった.これは標準的なポートレイトには対応可能だが、人物撮影では寄りも引きも必要なので、微妙な距離のときに検出状態が変わるのが使いにくかった.
このファームアップにより、縦位置でも横位置でも全身ショットで瞳AFが可能.従来の1/4位の大きさの顔を検出しているように感じる.
また、このファームアップで、顔を一度検出するとかなり粘るようになったようだ.一度ファームアップしてしまうと元に戻れないため、以前の状態とは比較できないが、もし戻ったらかなり使いにくく感じることだろう.
このファーム以降は瞳AF時に瞳のマーカーが出ると、顔のマーカー消えるようになったので容易に判断可能.
Ver. 1.6.0 [2019/12]: 新RFレンズ対応_02
詳細は自分のメモに記載なし.また1.5.0のファームは飛び番だったようだ(時期的にはEOS Raが発売されたのでその関係か?)
Ver. 1.7.0 [2020/07]: 新RFレンズ対応_03
新しいレンズとRF版1.4x、2.0xのExtender対応.また、Extender使用時にF22までのAFが可能になった模様(それまでのAFスペックはF11まで)
Ver. 1.8.0 [2020/11]: 新RFレンズ対応_04
CanonのHPによると、
- RF50mm F1.8 STM装着時のカラーバランスの精度が向上しました
- 以下のレンズ製品に対応しました、RF70-200mm F2.8 L IS USM、RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM
だそうだ.
ミラーレスカメラ時代の新常識
EOS Rなどのミラーレスカメラ時代では、数年間提供される新しいファームウエアにより、時間が経過するにつれカメラは別物に近い進化をする場合がある.そのためミラーレスカメラの情報をチェックする場合には、記載されている内容が、「ファームウエアのどのVersionに関するものか」を注意する必要となる.2021年1月時点で、EOS Rの最新ファームは Ver. 1.8.0.EOS R5の最新ファームはVer. 1.2.0である.
ミラーレスカメラの購入を考える場合、発表当初に多少気に入らなくても、継続的にファームアップ情報のウオッチを続けていれば、時間経過による価格の低下と提供されるファームアップによる性能向上により、従来とは異なる購買ポイントに行き着く可能性がある.


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