EOS Rとは何だったのか? EOS R / R5ユーザーから見た、気になるポイント比較 [外観編]

[結論]:操作部材の多彩さ使いやすさは圧倒的にR5だが、Rにはいくつものスペシャルな作り込みがされたいたことに気がついた

  • EOS Rの背面操作ボタンはEOS Kiss並の少なさに加え、マルチコントローラ非搭載などUI的にはR5の足下にも及ばない
  • EOS Rのマルチファンクションバーの使い道はやっぱり見つからなかった(やはりその後の機種には搭載されなかった)
  • EOS Rには、RFマウント初号機として、従来のEOSシリーズにはみられないSpecialな専用設計が取り入れられていた(ストラップ取り付け部、レリーズボタン)
  • EOS RとEOS R5を並べてボディの作り込みを見回してみると、倍半分近い価格差があるとは思えないほど、EOS Rは良質な作り込みがされていることが分かる

EOS RとEOS R5

EOS R [Canon / Amazon]は、RFマウントの初号機として2018年10月に発売された.私は、少し様子見をした後に導入して2年間みっちり向き合ってきた.EOS R5 [Canon / Amazon]は2020年7月に発売された.私は当初、R6の導入を考えていたため注文が遅れ、入手してまだ1月程使ったところだ.R5 / R6の登場でいよいよ本格的にミラーレスを導入しようと考えているユーザーは多い.私の視点からEOS R5を通して、今再びEOS Rというカメラを振り返ってみたいと思う.

ストラップ取り付け部

トップの写真をもう一度見てみよう、カメラの操作系が集中している右肩部分の写真だ.全体像が見えにくい、やや寄った画像だが、左右どちらがEOS R / R5かがお分かりだろうか?

EOS Rを手にして最初に気づいたのが、説明書によるところの「ストラップ取り付け部」だ.ストラップ(現在私は、PeakDesignとBLACKRAPIDのシステムを併用している)を取り付けた際に驚いたことに、1D系を含め、いままでの歴代EOSの中でも、このストラップ取り付け部には際立った加工がされている.そう、写真では右側がEOS Rだ.

このEOS Rのストラップ取り付け部は、ボディの外側の傾斜に合わせた面取りがなされ、ブロックの金属材料(アルミだろうか?)を削り出して作られたループ部をもつ、EOS Rのための専用設計だと思われる.私はこれがこれが、新たなEOSシリーズの意匠の一つとなるのかと思いきや、EOS R5(左)ではあっさり元の厚めの板加工に戻されている.EOS Rのストラップ取り付け部は、今までのどんなカメラとも異なっており、これがRの一号機であることの思い入れだったのかもしれない.

背面のメイン操作部

ボディ背面右側の、メイン操作部を見てみよう

最も目立つのは、マルチコントローラーとマルチファンクションバーだ.もちろんマルチコントローラ(MC)がある左がEOS R5、マルチファンクションバー(MFB)があるのがEOS Rである.R5にはマルチコントローラーが戻ってきた.このMCは、従来のデジタイル一眼レフカメラ(DSLR)のMCと異なり、操作方向にAFフレームが連続的に動いていく.このため、5940ポジションあるというAFフレームを効率よく選択できる.そして2年使ったが、結局、Rのマルチファンクションバーの有意義な使い道を見つけることはできていない.一目見て分かるのは、EOS RはKiss系並みにボタン類が少ないことだ.

マルチファンクションバーは、繊細な操作が必要な割には動きが繊細ではなく、タッチボタン的な使い道しかない.ところが、通常のボタン類ほど割り当てに自由度がないのだ.MFBはEOS R5 /R6では採用されなかったが、EOS-1DX Mark IIIでは、トラッキングデバイスが内蔵されているスマートコントローラーを搭載している.Canonは今後も様々デバイスを登場させるのかもしれないが、EOS-1DX Mark IIIのスマートコントローラーを触った感じでは.グリップの要である”親指”をやや浮かせながら操作する必要があるトラッキングデバイスは、この位置にはあまり向かないように思っている.

ボディ背面左側に視点を移してみる.

EOSシリーズでは、バリアングル液晶が採用されたカメラには、背面液晶左側にボタン類が配置されていない.EOS 5系から移行するとボタンの絶対的な少なさに若干戸惑うかもしれない.しかし、それ以上に戸惑うのは、MEMUボタンの位置だ.右はEOS R、操作部材はMENUボタンのみだ.一方、EOS R5では、ボタンが2つ配置されている.しかし、あなたがEOSユーザーなら違和感がないだろうか?EOS 5系では左側操作ボタンの一番左上はMEMUボタンの専用スペースだったはずだ.

EOS 5D / 6D系の背面左上のボタンは,外側から,MENU / INFOの順になっている.それに対し、EOS R5では,外側から,RATE / MENUとなっている.もちろんこれらのボタンは、ボタンカスタマイズには対応していないので入れ替えることはできない.これは、どんな理由があったのだろう?ユーザーによって異なるだろうが、私は今までもRATEボタンをつかった事がほとんど無い.MENUボタンの押し間違えがこのカメラの唯一のプチストレスだ.

電源スイッチ

さて、そのまま視点をカメラ上部、左肩部分へ

EOS 5D Mark III以降あたりから(記憶では)、EOS シリーズの電源スイッチはボディ背面から左肩部に移動した.EOS 5D / 6D系のカメラでは左肩部にモードダイヤルがあり、その背面にレバー状の電源スイッチが配置されていた.EOS Rシステムでも電源スイッチの操作方法はほぼ同様だが、その形状はダイヤルタイプに変更されている.

さて、EOS R(左)の電源スイッチは、主要操作部材であるサブ電子ダイヤルに匹敵するような、ローレット加工された厚みのあるダイヤルが搭載されている.このダイヤルはやや重めの設定になっており、しっかりしたローレットが切ってあっても電源スイッチの操作性は良くないとされている.EOS R5(右)では突起が追加され、操作性は向上したが、質感としてはEOS Rの方が圧倒的に勝っているのではないだろうか.

バッテリーグリップのコネクター

ボディーの底面に移動しよう

EOS Rではボディ底面に、バッテリーグリップとの通信用(?)のコネクターが追加された(左).通常は専用のゴムキャプが付けられている.これが防塵防滴のためにかなりしっかりとしたゴムで、付け外しがなかなか大変である.仕事ではバッテリーグリップを付けたままが多いのだが、Rは小型軽量なのでプライベートではバッテリーグリップは外して持ち出している.その時、月に1,2回、この”しっかりとしたゴム部材”と格闘する必要があるのだ.(ちなみにバッテリーグリップ側に、外したゴムを付けておける部分があるので無くす心配は少ない).R5のバッテリーグリップはまだ入手できていないが、このコネクターがバッテリー部分に付けられている(左)ので、バッテリー蓋を外すだけで、バッテリーグリップの装着が可能になりそうだ.このようなプチ改良も非常にありがたい.

レリーズボタン

さて、最後にメイン操作部に移動しよう

もうストラップ取り付け部で区別が付くだろう.右がEOS Rだ.メイン操作部材周りはほとんど差が無い.写真からは非常に分かりにくいのだが、注目して頂きたいのは、レリーズボタンだ.EOS R5のレリーズボタン(左)は丸っこいプラ?のような部材だが、これはEOS-1D系も含んだスタンダードな仕様・形状だ.目の前でEOS 5D Mark IVと比べてみてもほとんど同じように見える.ところが、EOS Rのレリーズボタンは、切削跡・面取りがあるアルミ削り出しのような雰囲気がある.レリーズボタンはフィールこそ気にすることはあっても、外見的な質感を気にしたことはなかった.だが、EOS Rのレリーズボタンは明らかに一線をこえた質感の高さがある.

EOS Rとは何だったのか? 

今から考えれば2018年のEOS Rはミラーレス市場への本格参入のためのバーゲンだったのだと思う.そもそも、同年に発売され今も売れ続けるEOS Kiss Mの価格も、それまでのMシリーズと並べると内容(性能・機能)に見合ってないホドのバーゲンだったと考えられる.

試験的なUIの採用やボタン配置など、発売当初は必ずしも高い評価を得られなかったEOS Rだが、EOS R5を並べて見回してみると、倍半分近い価格差があるとは思えないほど、EOS Rは良質な作り込みがされていた.もう一度、今までの写真見直して欲しい.EOS RのボディはEOS R5と比べても見劣ることはなく、むしろ個々のパーツ単位ではEOS R5を凌駕する部分が少なくない.

EOS R5は、キヤノンとして公式にEOS 5D系の正統進化としての位置づけをされている.EOS Rは一言で言えばEOS 6D系の正統進化と考えて良いだろう.一部では5D Mark IVを超える性能をもちながら、EOS 6D系並のUIしか与えられなかった無印R.動体撮影は決して得意ではないが、映像としてはまだまだ一線級と言って良い.そしてEOS 6D系をはるかに凌ぐボディ構成と作り込み.

そう、このアンバランス感が初号機としての、EOS Rの魅力なのかもしれない.


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