[一言]:このプロダクトは最も汎用性の高い”買い”のストロボになるかもしれない
- Godox V860 IIとV1の長所を組み合わせたような製品
- それでいてV1よりおさえられた価格設定(おそらく)
- V1, AD100 Proと共通のバッテリー
- 前面LEDやTCM専用スイッチのなど使い勝手を考えた新設計
Godoxが元気だ
8月の終わりくらいにGodoxのProductsページにV860 IIIの情報がアップされた.Godoxのクリップオンストロボには、すでに非常に多くのラインナップが存在している.その中でLi-ionバッテリーを採用している上位機種は、スクエアタイプのヘッドを持つV860IIとラウンドヘッドのV1の2種類だ.それぞれ2017年、2019年に発売されているので、今回のV860 IIIが2021年内に発売されれば2年ごとに新モデルを導入していることになる.この他にも、AD300 Pro [KPI / Amazon]とAD100 Pro [KPI / Amazon]などモノブロックストロボも立て続けに発売されているほか、大型のLED光源プロダクトにも力を入れている様子がうかがえる.

V860 IIIのスペック
V860 IIIのスペックを眺めてみるとV1の本体にV860 IIのスクエアヘッドを付けたような形だ.しかし、本体前面に2WのモデリングLEDが搭載されるなど、本体だけ見てもV1とは異なる味付けになっている.V860 III, V860 II, V1の気になるスペックを比べてみよう.
| Godox v860 III | Godox V1 | Godox v860 II | |
| 発売年月 | 2021年 | 2019 / 04 | 2017 / 04 |
| Power | 76Ws / Gn. 60 | 76Ws | Gn. 60 (m/ISO100) |
| Zoom | 20 – 200mm | 28 – 105mm | 20 – 200mm |
| バウンス角度(垂直方向) | -7 – 120° | -7 – 120° | -7 – 90° |
| モデリングライト | 2W / 5300K | 2W / 3300K | ー |
| battery | 7.2V / 2600mAh | 7.2V / 2600mAh | 11.1V / 2000mAh |
| リサイクルタイム | 1.5秒 | 1.5秒 | 1.5秒 |
| フル発光回数 | 約480回 | 約480回 | 約650回 |
| 取り付け部 | Quick-relese Lock | Quick-relese Lock | スクリュー |
| 重さ(バッテリー込) | 530g | 530g | 540g |
| 価格(US参考価格) | $229*1 | $259 | $179 |
| Amazon(J) | 29000円(予想) | 33000円 | 22000円 |
| その他 | ・LEDはボディ前面 ・TTL – M Quick SW | ・LEDはヘッド内 ・TCMは4連SWの左端 |
最大パワーは3機種ともおそらく同等.V1はズームが105mmなのでガイドナンバー表記(記載なし)にするとやや小さめの値になる.V860 IIIでは光量に関してPower: 76Ws、とGNo.60(m ISO100)の2種類が並記されている.V860 IIIのヘッド部は照射角(ズーム)はV860IIと同等の20-200mmだが、ボディーとの組み合わせとなる垂直方向のバウンス角度はV1と同じ-7 -120°に改良されている.ヘッド部の回転を使うこと無く後方へ照射できるのは、バウンス時に使い勝手が良い.
V860 IIIではモデリングLEDランプがボディ前面に配置されているが、おそらくV860IIのヘッドを流用したために、ヘッド内には入れられなかったのでは無いかと想像する.しかもモデリングランプは、V1では電球色タイプだったのが、V860 IIIではデイライトタイプに変更されている.もしかすると、2Wでは心許ないが簡易ビデオライトとしての用途もにらんでいるのかもしれない.
バッテリーは従来のV850, V860シリーズから変更され、V1と共通になっている.これはすなわちAD100 Proとも共通ということだ、素晴らしい.これだけでもV860IIから買い換える価値があるかもしれない.取り付け部は、V1と同様にクイックリリースが採用される.
V1では、TTLまたはMモード時に、ディスプレイ下4連ボタンの左側に設定されるTCM機能が、ボディ左面に独立スイッチとして配置されている.
価格に関しては、dpreviewの記事を参考にさせてもらった.ここにはV860 IIIは、AdoramaではFlashpoint Zoom Li-on III R2 TTLという名称でSony用として販売されていると書かれている.確かに、正面のLED、左右に突き抜けたバッテリーの配置、左側面にあるTCM専用スイッチなどが符合する.このサイトによると、価格は$229となっている.これが新しいV860 IIIの予想価格の根拠とした.
V1では、TTLまたはMモード時に、ディスプレイ下4連ボタンの左側に設定されるTCM機能(TTL Converted to Manual)が、ボディ左面に独立スイッチとして配置されている.TCMは、直前の発光時にTTLで算出された発光量をM発光量に設定しつつM発光モードに切り替える機能で、有用性は撮影スタイルによって異なるが、クリップオンでTTL撮影を主体にしている場合に、大いに役立つ場面もある.

Godox V860 IIIは買いか?
2020年末の時点で、最もお勧めできるクリップオンストロボはGodox V1だと考えていた.それは2021年に入っても変化する事は無いと考えていた(主にCanon EL-1の価格的な面で).Godox V1はストレートフラッシュとして使用する場合に唯一、広角側・望遠側ともにズーム域が狭いという欠点があったが、バウンスやオフカメラで使用するには申し分の無い性能だ.後から発売されたAD100 Proと共通のバッテリーという点も見逃せない.
V860 IIIはV860 IIの良い部分とV1の良い部分を足し合わせたような製品だ.V860 II同様に、スクエアヘッドらしくストレートフラッシュとして使用する場合に十分なズーム域を持っている.バッテリー、バウンス角度、アクセサリシュー脚部、などはV1の良さを踏襲しており、さらに白色LEDやTCM専用ボタンも加えられている.
イヤまて、ラウンドヘッドのV1の良さは、円形の配光分布とポケットフラッシュライトアクセサリキットAK-R1 [KPI / Amazon]が使えることではなかったか?確かに直射時の配光分布は、撮影エリア内に集光することで効率を良くする設計思想のスクエアヘッドと、あくまでモノブロックタイプに近い素直な配光分布を目指したラウンドヘッドでは同様にすることはできない.しかし、あの、マグネットマウントのアクセサリキットまではあきらめる必要は無い.GodoxにはラウンドヘッドアクセサリアダプターS-R1 [Amazon]というスクエアヘッドのストロボにラウンドタイプアクセサリを(やや強引に)つけるアダプターが存在する.ちなみにSpeedlite 600EX系でも使用可能.

ヘッドの周囲が多少けられているように見えるが、拡散系のアクセサリを付ける場合が多いので実使用上はほとんど問題はない.AK-R1と S-R1のセット [Amazon]も販売されているので、V860 IIユーザーや600EX系ユーザーも使ってみたら面白いかもしれない.
そんなわけで、Godox V860 IIIは、V860 IIにV1の技術を組み込んだ進化形ストロボだ.実売価格もV1より低価格になると予想されることから、発売された時点で、最もお勧めしやすいストロボ No.1になるポテンシャルを持っている.もちろん私も早く手に入れて使ってみたいと思っている.
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