縦位置グリップ、もしくはバッテリーグリップ、あるいはドライブブースター

[一言]:ここ一年の撮影画像を見直し、もし、35%以上縦位置の撮影を行っていたなら、迷わず縦位置グリップ(バッテリーグリップ)を導入するべきだ

  • 一体型ボディーと縦位置グリップは似ているが異なるもの
  • 一体型ボディーは、高機能デジタルカメラのための大型バッテリーを内蔵するために始まったと思われる
  • 縦位置グリップは、純粋に縦位置グリップから始まり、ドライブブースター、その後バッテリーグリップへと進化した
  • 必要に応じて、付け外しできるのがメリット
  • 現在の縦位置グリップは重く大型化してるが、縦位置撮影の操作性は一度味わうとやめられない
  • 近いシリーズで使い回しができるとありがたいのだが・・・

(縦位置グリップ)一体型ボディーのカメラについて

先日のEOS R3の発表を見て、Canonはミラーレス時代でも(バッテリーグリップ)一体型ボディーのアドバンテージがあると考えている事が分かった.もっとも、一体型カメラの本質は、操作性の向上より、大型バッテリーを使うためのディメンジョンという側面が大きいと思われるため、過去のEOS-1D系のカメラと比べてさらにバッテリー消費が激しそうなこのカメラには、可能ならばさらに大きなバッテリーを搭載したいと考えているかも知れない.そう思うと、この選択は、必然的と言うべきかもしれない.

一方で、あまりハードな環境で撮影を行う事が無い私でも、5Dボディーにバッテリーグリップを付けたカメラと、1D系のカメラボディーの違いは大きいと感じている.CanonのWebページによると、BGあり・なしで防塵・防滴性能は変わらないとされているが、BGの構造を見る限りでは、若干、心もなく思えるのも事実だ.また、縦位置側のグリップ形状も、バッテリーグリップには制約が多いと思われ、一体型ボディーと比べると縦・横位置でのグリップ形状やボタンなどの操作部材の位置の違いが気になるモデルもある.

歴史を振り返ると、EOS DCS, EOS D2000, D6000など、1990年代後半にEOS-1Nベースに作られたデジタルカメラ(デジタルパックつきカメラ?)が同様なフォルムをしているが、本格的な一体型ボディは2001年に発売されたEOS-1Dからとなっている.それは、同時期に発売されているEOSフィルムカメラの頂点である、EOS-1V(2000年発売)が分離型であることを考えると、やはりデジタル化における電源系の制約によるところが大きいのだろうと想像できる.

ポートレイト撮影と縦位置グリップ

人物を被写体の主体にしていると、構図的に縦位置の比率が多くなる.特にポートレイト撮影では、縦位置構図が80%を超えることがよくある.私がEOS 5にVERTICAL GRIP VG10を付けたのは、単純に撮影が楽になと考えたからだ.実際に使用すればすぐに分かるが、縦位置撮影の安定感向上と疲労感の低減効果は非常に大きいと思う.もちろん、ボディーは大きく・重くなるのだが、分離型のボディーの良さは必要なときに拡張できること.スナップや旅行、山行時に小型化できることは大きなアドバンテージになる.そんなわけで、私はEOS 5以降、EOS-1D系以外のすべてのボディに縦位置グリップを付けている.

縦位置グリップの変遷と特徴、進化

VERTICAL GRIP VG10 (EOS 5)

EOS 5専用の縦位置グリップ.バッテリーは内蔵されてなく、専用のコネクターを介してカメラ底面に取り付ける.操作系はカメラ本体と同じだが、グリップ部分がやや薄めで、レリーズボタンがやや後によっているが全体的な操作感に違和感はない.全体に薄めな作りで、また左サイドが斜めに切り落とされているためか重さも230g程度.EOS 5を使っていたときにはこのグリップを外したことは無かったかもしれない.コネクター部の右側にある浅い丸穴は、カメラ側にあるコネクター部の蓋を外したときに付けておくところ.Canonのバッテリーグリップ系には、外した時の蓋類がなくならないような工夫がある.

POWER DRIVE BOOSTER PB-E2 (EOS-3, EOS-1V, EOS-1N)

EOS-3, EOS-1系の連写性能を向上させるPOWER DRIVE BOOSTER.専用のNi-HhバッテリーパックNP-E2使用時に最高性能となるが、単三形乾電池・充電池でも運用可能.私はあまり連射は使わないのだが、入手性が悪かった2CR5の代わりに単三形バッテリーで運用できる点(ただし8本)と縦位置グリップとしての用途で導入していた.ただし、エネループ登場前の、当時の単三形バッテリーの性能は惨く、満充電しても一週間も持たないというシロモノであった.したがって、撮影前日に8本のバッテリ−をフル充電し、さらに単三形アルカリ乾電池を16本予備に持つ、という運用であった.

内部に単三形8本を内包するバッテリーマガジンを入れるため、グリップ形状はややブロードで少し力が入りにくい.さらに、EOS-3をベースとすると、レリーズボタン、メインダイヤル共にかなり外側に向いており、縦横でかなりフィーリングが異なるのも難点.結局、縦位置に特化したVG10と比べると、使用頻度は低めだった.

BG-E2(N) (EOS 20D, EOS 30D)

私が初めて導入したデジタルEOSはEOS 20DでBG-E2はそのバッテリーグリップとなる.EOSデジタルカメラ時代の縦位置グリップは、カメラ用のバッテリーが2本入るタイプとなり、名称がバッテリーグリップ(名称はBG-Exx)というラインナップに統一された.BG-E11あたりまではバッテリーを後ろ側から入れる構造になっており、そのため特にBG-E2グリップが浅く角張っている.レリーズとメインダイヤルもやや横向きであり、縦・横で使い勝手はかなり異なるが、慣れればそれなりに考えられたレイアウトだと理解した.接点の接触不良(?)のために、BG-E2Nが後に導入されたが、私の個体は特に問題なかったと記憶している.バッテリーグリップには単三形乾電池6本で使える、バッテリーマガジンが付いており、まだそれほど消費電力が大きくなかった当時のデジタルカメラは、撮影枚数が少なくなるものの単三形乾電池での運用が可能だった.(EOS 80Dあたりから非対応になったようだ)

BG-E11 (EOS 5D Mark III, EOS 5Ds)

EOS 5D Mark IIIは、EOS-1D系とほぼ同等のAFエリアを持つため、5D3に縦位置グリップを付ければ、ポートレイト撮影に十分耐えうるフルサイズカメラだった.専用のBGであるBG-E11は、ついに縦位置用のマルチコントローラーが付き、その点でEOS-1D Mark IVより使いやすくなっていた.このあたりから、AF-ONボタンやM-Fnボタンも配置され、私の撮影用途では、5D系 + BGでほぼ事足りることになる.バッテリーをサイドから入れる方式に変更された結果、グリップの形状が良くなり、縦・横でほとんど違和感なく使えるようになっている.

BG-E13 (EOS 6D)

プライベート用に購入したEOS 6Dだったが、クセでバッテリーグリップも買ってしまった.小型軽量のフルサイズが信条のEOS 6Dには、あまり必要なかったとも思っている.形状的には、マルチコントローラーがない物の、BG-E11を踏襲しているようだ.今見ても、使用頻度が低かったらしい美品だ.

BG-E20 (EOS 5D Mark IV)

EOS 5D Mark IVは、デジタル一眼レフカメラの一つの完成形だと感じている.なのでBG-E20もバッテリーグリップの一つの完成形なのだ.構造的に仕方ないのだが、縦位置のマルチコントローラーと新たに付いたAFエリアダイレクト選択ボタンがかなり下側に配置されてしまっているが、AF-ONを含めて背面の3連ボタンは、歴代の、そしてこれ以降BG-R10までを含めても最も違和感なく操作できる配置となっている.また、レリーズボタンやメインダイヤルの角度も適切に配置されており、縦・横の操作感は最も良い.当時、私の機材の中でEOS 5D Mark IVの画質が頭一つ抜けていたため、このカメラは常に持ち歩いていたため、BGも付けたり外したりを繰り返していた.

BG-E22 (EOS R)

ミラーレス時代に入ってもバッテリーグリップの基本コンセプトは変わらなかったが、カメラ本体との通信が、専用コネクターによる方式に変わった.今までのバッテリーグリップはバッテリータワーの上部に接点が並んでいたが、BG-E22では、いにしえのVERTICAL GRIP VG10のように、カメラ底部のコネクターカバーを外して取り付ける形になった.このカバーもバッテリー蓋同様にタワー部右側面に取り付けられる.また、接点カバーが新コネクター用も含め白色からオレンジに変更された.このコネクターカバーの取り外し、取り付けが非常にやりにくいのが難点.BGの付け外しは歴代で最も面倒.

BG-E11は、USB電源アダプターPD-E1が同梱されていた異色のBGで、BG-E11本体にもUSB-Cコネクターが配置されている.PD-E1をつなぐことによりLP-E6N2つを順に充電できる.このため、背面にcharge状態を示すインジケーターLEDが追加されている.

EOS R系のバッテリーグリップは、肩口のサブ電子ダイヤルを配置したために、三連ボタンの位置が悪い.EOS R本体側ボタンが逆L字型に配置されてるのだが、縦位置では、右ナナメ下方向ナナメに配置されており、縦・横でAF-ONボタンの位置が全く異なる.

BG-R10 (EOS R5, R6)

BG-E22と異なり、タワー部の根元に専用端子が移動しているため、ボディーのバッテリー蓋を外すだけで接続が可能.また、本体の仕様に合わせて、BG側にもマルチコントローラーが戻ってきた.USB-C端子はなくなったが、カメラ側の端子から充電はできるようだ.品番も新たにBG-Rxxという系列に変わった.

相変わらず肩口のサブ電子ダイヤルのためにAF-ONボタンの配置がカメラ本体と異なるが、実際に使ってみるとBG-R10では違和感なく操作できるように工夫されている.新たに拡大ボタンが配置されたが、あまり良い位置だと思えない.

私自身は連射をほとんど使わないため気にしていないが、BGにバッテリーを1つだけ入れて使うと連射速度が落ちる場合があるということだ.

縦位置グリップの立ち位置

一体型ボディーと縦位置グリップは似ているが異なるものだ.一体型ボディーは、高機能デジタルカメラのための大型バッテリーを内蔵するために始まったと思われる.現在の縦位置グリップは、高機能なバッテリーグリップになり重く大型化した.また、ミラーレス時代に入りUIを合わせるのが難しくなりつつある.しかし、本来の用途通り、縦位置撮影の安定性と疲労低減には著しく効果がある.

長年、縦位置グリップを使い続けた私がお勧めする.ここ一年の撮影画像を見直し、もし、35%以上縦位置の撮影を行っていたなら、迷わず縦位置グリップ(バッテリーグリップ)を導入するべきだ.

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