マルチアクセサリーシューの互換性、気になるCanon純正アクセサリーの今後を考察

[一言]: マルチアクセサリーシューはカメラアクセサリの可能性を大きく広げる新シューだ、ただし、既存カメラユーザー(各種DSLR / R / RP / R5 / R6)は、今後のCanon純正アクセサリーを一切使えない可能性がある

  • マルチアクセサリーシュー対応アクセサリーは、旧アクセサリーシューのカメラ(各種DSLR / R / RP / R5 / R6)では使えない
  • カメラのマルチアクセサリーシューには、旧アクセサリーを付けることができる
  • マルチアクセサリーシュー対応アクセサリーは、カメラから電源供給を受けられる
  • すでに、マルチアクセサリーシュー対応アクセサリーの発表は行われており、今後、旧シュー対応アクセサリーが発売されない可能性がある

マルチアクセサリーシュー with EOS R3

EOS R3 [Canon / MapCamera]が発表されたときには、先進的なスペックや視線入力などの魅力的な機能に目を奪われていた.しばらくカタログなどを眺めていたら、実は、かなり重要な発表が含まれていたことに改めて気がついた.それが「マルチアクセサリーシュー」の新採用だ.特徴は主に4つ

  • 従来のアクセサリーシューと同じ接点部(5ピン)を備えている
  • 新たにコネクタータイプの接点部が採用されている(接点数15ピン)
  • 高速データ通信や電源供給などに対応する
  • アクセサリー未装着時はシューカバーの使用を推奨
Canon Web Page [https://cweb.canon.jp/eos/lineup/r3/feature-expansion.html]

EOS R3という、やや特殊なカメラに採用されたシューなのかもしれないが、今後、発表される製品に注意する必要がある.

マルチアクセサリーシュー対応アクセサリーの解説

EOS R3のアクセサリー紹介ページには、すでに4種類の新アクセサリーが掲載されている.

マルチアクセサリーシューアダプター AD-E1

マルチアクセサリーシューアダプター AD-E1 [Canon / yodobashi]は、防塵・防滴性能を備えた従来のアクセサリーを、マルチアクセサリーシューを搭載したカメラに装着するための変換アダプターだ.

Canon Web Page [https://cweb.canon.jp/eos/lineup/r3/feature-acc.html]

Canonの防塵防滴仕様のストロボの脚部(たとえば600EX)には、カメラのアクセサリーシュー部に密着する、防塵防滴アダプター(ゴム部)が取り付けられている.図版などから読み解くと新しいマルチアクセサリーシューの形状が、新しい接点分縦長になり、この密着するゴム部と合わなくなったのだと想像できる.ちなみに防塵防滴機能のないアクセサリー(430EX-III)などは、マルチアクセサリーシューにそのまま取り付け可能とある.実はこのゴムの部分は外すことができる(というか外れてしまった事がある)。もちろん防塵防滴機能はなくなるが、コレを外してしまえば直接取り付けが可能なのかもしれない。

すなわち、2021年に出たばかりの最新型の高性能ストロボである、EL-1 [Canon / Amazon]は、最新カメラ EOS R3には直接付けることができないということになる.

スピードライトトランスミッター ST-E10

スピードライトトランスミッター ST-E10 [Canon / yodobashi]は、マルチアクセサリーシュー専用のスピードライトトランスミッターだ.

Canon Web Page [https://cweb.canon.jp/eos/lineup/r3/feature-acc.html]

カメラから電源供給される小型のボディには、ボタン1つを残してディスプレイやスイッチ類を極力排除したデザインになっている.性能的にはVer.2となったST-E3 RT(Ver.2) [Canon / Amazon]と同等のようだ.U.I.がないので、カメラのストロボ設定メニューから設定を行う.ST-E10は防塵防滴対応しているが、もちろん直接マルチアクセサリーシューに取り付け可能.ST-E10でできる事はST-E3 RT(Ver.2)と同じで、マルチアクセサリーシュー化のメリットは小型化と電源共通化位だ.さっそくストロボアクセサリーが発表されたと言うことは、マルチアクセサリーシュー対応ストロボもいずれは発売されそうだが、カメラのバッテリーで600EXクラスのストロボに電源供給させることができなければ、ストロボのマルチアクセサリーシュー化はあまりメリットが無いかもしれない.

マルチアクセサリーシュー スマートフォンリンクアダプター AD-P1

マルチアクセサリーシュー スマートフォンリンクアダプター AD-P1(Android)[Canon]カメラとスマートフォンを接続する専用アダプター.

Canon Web Page [https://cweb.canon.jp/eos/lineup/r3/feature-acc.html]

AndroidスマートフォンのUSBホスト機能を利用する、という事で、マルチアクセサリーシューは電源供給の他に、USB通信が可能のようだ.”iOSスマートフォンは使用できません”と明記されているのでiPhoneには対応してしない.ただし、FTPサーバーなどへのアップロードには”Mobile File Transfer”という有償のモバイルアプリケーションを使うらしい.電源供給と、高速通信はマルチアクセサリーシューの大きなメリットなので、このようなアクセサリーが今後も色々出てくるのだろうか.

マルチアクセサリーシュー 指向性ステレオマイクロホン DM-E1D

マルチアクセサリーシュー 指向性ステレオマイクロホン DM-E1D [Canon]はカメラからの給電を可能にしたマルチアクセサリーシュー専用の外部マイクである.

Canon Web Page [https://cweb.canon.jp/eos/lineup/r3/feature-acc.html]

もちろん、電源供給されるだけではなく、デジタル化された音声信号をマルチアクセサリーシュー経由で取り込むことができる.このマイクもマルチアクセサリーシュー化による大きなメリットがあるアクセサリーである.

マルチアクセサリーシューの互換性、気になるCanon純正アクセサリーの今後

ちなみに、「マルチアクセサリーシュー」だが、英語名は”Multifunction shoe“というらしい.確かに、”Multifunction [多機能]”の方が名称としては正しそうだ.電源供給や高速デジタル通信などを使用する、多機能なアクセサリーが接続できるマルチアクセサリーシューは、これからのシステム拡張に必要なものだ。したがって新しいマイクやスマホ通信アクセサリーが新しいアクセサリーシューでと作られる事は理にかなっており、今後、旧アクセサリーシューで作る理由はほぼない.

一方で、ストロボシステムはどうだろうか.EL-1のインタビュー記事の中で、「カメラとストロボでは放電可能電流が異なりますので残念ながら(バッテリーの)共用化は実現できていません」述べられている.つまり、マルチアクセサリーシューを使ってもカメラのバッテリーから大型のクリップオンストロボへの電源供給はできない.また、ストロボ多灯システムにおいても、高速データ通信が必要となる機能もあまり想像できない.Canonが純正ストロボを続けるならば、3rd party製のストロボの動向を見ても、Li-ionバッテリーを搭載した600EXクラスのストロボはラインナップ的に必須だろう.そしてマルチアクセサリーシューの恩恵をほとんど受けることがないこのストロボが、どちらのシューに対応するかで今後のCanon純正アクセサリー動向が決まると考えられる.

マルチアクセサリーシューはカメラアクセサリの可能性を大きく広げる新シューだ、ただし、Canonがマルチアクセサリーシューに大きく舵を切るとしたら、既存カメラユーザー(各種DSLR / R / RP / R5 / R6)は、ストロボなどを含めて今後のCanon純正アクセサリーを一切使えないという事になる.



関連投稿

広告

コメントを残す