[一言]:実はメインのカメラより悩ましい「写真を撮らない時に持ち出すカメラ」
- 写真を撮ることが主であるメインのカメラは、目的や必要スペックがはっきりしているので選択に迷いが少ない
- ”写真を撮らない”ことが主となるカメラ(何だそれは)は小型軽量以外の選択・決定要素に乏しい
- 今ならもちろんスマートフォンのカメラを使うことでメモ的には事足りる
- カメラを持ち歩かないのは”マルゴシ”で歩いているように落ち着かないのだ
ルーツはCanon PowerShot A5 Zoom

PowerShot A5 Zoomは、1998年にCanonから発売されたデジタルコンパクトカメラである.このカメラが「元祖、主に写真を撮る目的でないときに持ち歩いていたカメラ」だ.私はメモ魔である.常に何かしらのノートに何かを書き込んだり記録することを好む.撮影してすぐに画像を確認することができるカメラは、メモ好きの本能に深く刺さった.いつも持ち歩いているノート共に、私はこのカメラを記録用のデバイスとして常に持ち歩くようになる.もちろん、持ち歩いているだけで1枚も撮影しない日も当然ある.そしてこれが「写真を撮らない時に持ち出すカメラ」の誕生である.
今なら、スマートフォンのカメラで何でもメモ的に撮影を行っている人は多いことだろう.つまりはそういうことだ.PowerShot A5 Zoomは、総画素数81万画素、記録画素数1024 x 764で、細かい文字などは読み取ることができない場合もあったし、バッテリーの持ちも良くなかった.写真機としては、当時、画質が良くないこと言われたAPSフィルムカメラにすら到底かなわなかった.
しかし、背面ディスプレイで見る、補色フィルターCCDで撮影された一見地味な映像は、PCディスプレイ上ではEOS-3で撮影したポジフィルムをライトボックス上で見ているのと同じくらい美しく、近い未来、写真はデジタルになっていくと強く感じたのを覚えている.
ほとんどメモ的に使っていたカメラだが、テスト的に撮影した画像も残っている.解像感は全くないしダイナミックレンジも狭いが、発色を含め写真としてはなかなか好みだ.(撮影は2000年前後)








とにかく小ささが正義、Canon IXY Digital 40

私にとって個人的なエポックメーキングだったPowerShot A5 Zoomとの出会いであったが.画像の解像度に関しては満足いくものではなかったが、身についてしまった「写真を撮らない時に持ち出すカメラ」のために、フィルム版IXYや、PowerShot 200a、さらにはRollei35などにも手を出した.やはりフィルムカメラは”写真を撮るために使うカメラ”であると再認識し、次の決定版となったのがIXY Digital 40だ.特徴はとにかく小さくて軽い.85.8 x 53.4 x 21.1mm、バッテリー込み132g.サイズ感は写真の通りで、バッテリーパックLP-E6二個と同程度の大きさ.重さは、バッテリー2個より2割ほど軽い.解像度は2048×1536となり、文字情報の再現性も問題ないレベルになった.
とにかく小さいのは正義であり、カバンと言わずちょっとしたポケットにも入れられるなど、手ぶら外出にも対応したカメラであった.さすがにジーンズのコインポケットにはギリ入らない.ちなみにこのカメラ、このサイズでなんと光学ファインダーが付いている.

小ささに驚愕したIXY Digital 40だが、画質的にもなかなか気に入っていた.すでに使い始めていたEOS 20Dと同様に映像エンジンとしてDIGIC IIが採用されており、特にオートホワイトバランスが非常に優れていると感じた.外観はまるでトイカメラだが、かなりしっかりとした画像を出す.高感度撮影では画像がザラつくが、暗部ノイズがフィルムのような粒状感でイヤな感じがない.室内や夜、夕暮れの写真なども好んで撮影していた.(暗めの写真は最高感度のISO400)











コンパクトデジタルカメラ史上、類い希なる高画質、Fujifilm FinePix F31fd

カメラである限りは、もちろん画質が良いに越したことはない.Fujifilm FinePix F31fdは、1/1.7型、630万画素のスーパーハニカムCCDを搭載した高画質モデルとして登場した.特に高感度性能に優れ、記録用としてはISO1600まで許容していた.持ち歩き用途以外にも、旅行などではサブカメラとして活躍し、記録用途ではほぼデジタル一眼レフを使わないことも多かった.Canonのカメラとは異なり、バッテリーライフが非常に長く、高画質と合わせて「写真を撮らない時に持ち出すカメラ」というより常にカバンに入っているカメラとなっていた.
EOS 20Dと同等とまでは言えないが、旅行などで写真が混ざっていてもあまり違和感を感じない.特に階調性の良さやハイライトの安定性はIXY Digitaiと大きく異なっていた.今写真を振り返ってみても、同等センサーサイズのカメラと比べて遜色ないと感じる.コンパクトデジタルカメラで、この画質を凌駕するためには1型センサーモデルを持ってくる必要があるだろう.”ポケットに入れられる”カメラとしては今でも上位の画質だと思われる.














「写真を撮らない時に持ち出すカメラ」の持ち歩きで注意するべき事
コンパクトデジタルカメラは、電源OFF時にレンズがボディに収納される沈胴タイプが主流で、レンズキャップの代わりにレンズバリアが装備されている.このレンズバリア、複数枚の薄い板で構成されており、”バリア”とは名ばかりで非常に華奢な部品だ.沈胴状態だとカバンの中でも収まり良く、隙間に詰め込んでしまいがちだが非常に注意が必要だ.
ハードタイプのカメラケース使えばレンズバリア破損の心配は無いのだが、せっかく小型のカメラでもかなりかさばることになる.比較的タイトなソフトタイプのケース(袋)を使うとカバンの中で荷物が動いたときに、何かの角でレンズバリアを押し込んでしまう場合があり危険だ.そこで、私はソフトケースに不要となったカードを適当な大きさに切って入れている.かなり長期にわたりこの方法を採用しているが、運搬時にレンズバリアを破損した事は無い.オススメする.

レンズバリア・バリアー
「写真を撮らない時に持ち出すカメラ」・歴史編
撮影してすぐに画像を確認することができるデジタルカメラは、記録用のデバイスとして優れており、20世紀が終わる頃から共に常に持ち歩くようになっていく.それは写真を撮影するという明確な目的が無くても持ち出す「写真を撮らない時に持ち出すカメラ」である.写真を撮るためのメインカメラは、目的や必要スペックがはっきりしているので選択に迷いが少ない.”写真を撮らない”ことが主となるカメラ(何だそれは)は小型軽量以外の選択・決定要素に乏しく長年にわたり様々なカメラを試してきた.
私のPCの外付けHDDには、”MemoSnap”というフォルダーがあり、さらに年・月と階層化されている.一番古いのは2005年5月のフォルダーだ.この頃から「写真を撮らない時に持ち出すカメラ」は、”写真を撮らない日に何かを記録していくカメラ”に変遷していき、毎月50枚程度の写真が現在まで収められている.今回、昔のカメラの作例を探すため、久しぶりに古いフォルダーをゆっくりと眺めてみた.


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