信越トレイル スルーハイク:DAY 04 [光ヶ原キャンプ場 – 伏野峠 (escape)]

光ヶ原キャンプ場 – 関田峠 – 牧峠 – 花立山 – 宇津ノ俣峠 – 伏野峠 – 須川峠 – 野々海峠 – 深坂峠 – 野々海高原テントサイト

  • 2022年夏、信越トレイルをスルーハイクした:4日目
  • 計画時は、野々海高原テントサイトを目的地としていたが、諸事情で残念ながら伏野峠でエスケープ
  • 図らずも、最近の宿「なべくら高原・森の家」は信越トレイルクラブの事務局であった
  • 歩行距離: 13.1km / 総上昇量: 784m / 総下降量: 769m
  • 信越トレイル スルーハイク:ZERO [概要・計画・目次]

★本来の予定は、約21km先の野々海高原テントサイトが目的地となるはずだった.結果としては、ペースが上がらず、14時過ぎに伏野峠を越えたところで時間切れとなり、野々海高原行きを断念する事となった.

DAY 4

明け方、風が強く心配して何度か起きたが、この日は快晴、良く星が見えていた.夜が明けてみると晴天.適度に風があり非常にコンディションとしては良い状況だ.昨晩は十分な栄養補給もでき、今朝も順調な滑り出しをすることができそうだ.

一方、今日のルートはやや厳しい距離が長い山岳コース.まずはキャンプサイトからトレイルまで登り、Section-5の12.4kmをあるく.その後、続けてSection-6を半分ほど歩いたところにある野々海高原テントサイトが目的地となる.およそ21kmの行程で10時間半の予定.尾根道を歩くので、地図上では大きなアップダウンはないが標高950m – 1100mあたりを頻繁に上り下りする.

昨日、ブナの森とケンカしながら歩いてしまったことを反省する.天気も良いし今日は楽しむ.長丁場になるので気持ちよく進んでいきたい.

光ヶ原 – 梨平峠 – 牧峠

6時半頃にスタート、歩き始めは順調、急な登攀も涼しい風が吹くことで気分良く登り続ける.関田峠から梨平峠の間は、素晴らしい森林地帯で天気も最高によい状態で歩くことができた.とても気分が良い.一時間ほどで梨平峠につく.天気は快晴だが気温はすでに28℃.

その後、太陽の上昇とともに、だんだん気温が上がってきて、急に体の熱が冷めなくなり少しバテ始める.後から考えると、ちょっとした山岳コースという事で、トレッキングタイツをはいたことが裏目に出たようだ.昨日までより湿度は低めだが、気温を30℃を超えてきて、日向は非常にキビシイ暑さとなる.

昨日の反省もあり、力業ではなく丁寧に木々の間を抜けていく.焦らず、熱さも含めて楽しめるように進んでいく.木陰で水分補給をし、湖畔に腰を下ろして行動食を食べる.熱さに体力を奪われないように、楽しめる程度のペースを作る.9時過ぎに牧峠.予定より30分以上遅れているが、気にせず焦らない.


牧峠 – 花立山 – 宇津ノ俣峠 – 幻の池

牧峠を超えて、花立山へ登り返す.暑さのなかでかなりの汗をかく.少しすると北側(新潟側)の視界が開けてくる.よく見ると日本海が見えているようだ.花立山の手前の展望が良い日陰で、少し早めだが長めの食事休憩をとる.体が冷えると体調は良くなるが、歩きながら熱がこもるとバテぎみになる.今日は、体温との戦いになりそうだ.

10時過ぎに、花立山を超えると林を抜けて日向の稜線を歩くことになる.所々展望が良く、右手に長野県、左手に新潟県を見ながら進む.気温は一気に30℃を越えて、31℃を示す.一時間ほどで宇津ノ俣(うつのまた)峠、50m程の細かいアップダウンを繰り返しながら、幻の池に下っていく.

ちょうど昼頃に幻の池に到着.暑さのためかペースが上がってこない.体の動きも良くなく休憩の回数も増えてくる.今朝はらこのトレイル一番の天気だったため、テンションが上がったまま歩いてきたが、日数的には、ちょうど疲労のピークに来ている可能性もあるかもしれない.

後から見返しても、メモ書きや写真の枚数も非常に少ない.休憩も多くなりペースがかなり落ちていることがわかる.


幻の池 – 伏野峠 – 須川峠 …

100m弱の丘を越えて、14時過ぎに伏野峠(ぶすのとうげ)に降りる.伏野峠にはAid Stationが設置されていた!今日、これからの行程を考えてご褒美コーラを頂こうとしたが、Stationに張られた紙が目に入る.

「野々海高原テントサイトまで後9.5km」・・・

予定より1時間ちょっと遅れてはいるが、日没までには到着できるペースで歩いていると考えていた.光ヶ原キャンプサイトまでは13.2kmとなっているので、今日の進捗はまだ60%に至ってない.取り急ぎ、須川峠へ向かい登り始める.

およそ15分かけて60m程登り、須川峠への稜線に出るが、登りながら色々な考えが頭をよぎる.計画では1時間遅れまでは先に進む予定だったが、何かズレを感じる.何より今日は体があまり動いていないような気もするし、野々海高原テントサイトは真夏は草刈りされていない場合が多く、若干場所がわかりにくいという話もある.

どうするか・・・

そしてエスケープ

いったん座り込んで、地図と計画メモを取り出す.このままだと目的地の到着予定時間は18時前後.日の入り時刻は18時30分あたりだから、このままの天候ならばヘッドランプで足下を照らせば、十分に周囲を確認できるくらいの時間に到着できそうだ.しかしここは初めての場所、テントサイトもトレイルから10分程度外れることを考えると、万全とは言えない.今日も、他のハイカーに全く出会わないし、テントサイトも無人だろう.日が落ち、暗くなってから水場を探すのも気が重い.ここまでのトレイルを見る限り、基本的にどこまでも細い一本道だ.時間切れとなった場合、この先も緊急ビバークができそうな場所は少なそうだ.そして何より、いま通ってきた伏野峠は舗装された自動車道で、携帯の電波もバッチリ入る.

決断をしたら気持ちが楽になった.ふたたび伏野峠へと下っていく.先ほどの地図によると、最も近い宿泊施設は”なべくら高原・森の家”という場所.偶然にもここは信越トレイルクラブの事務局があるらしい.

伏野峠に戻りタクシー会社に連絡をする.30分以上待ちそうだが、この場所まで来てくれるとのこと.続けて”森の家”に電話をかけてみる.宿泊(ロッジ & テント泊)は可能だが、自給自足タイプのコテージで、食事や食料の調達はできないとのこと.食料は持っているのでコテージに宿泊を予約でヨシとする.今日はシャワーには入れる.


なべくら高原・森の家

タクシーに乗り、宿泊施設に向かう.迎えてきてくれたのは安定の長野交通さん.運転手さんと話すと、さらに20分ほど走れば、ちょっとした商店があるとのこと.かなりタクシー料金がかさみそうだが、買い物に寄ってもらう.そして今日の夕食は、アルファー米とカップヌードルの他に、惣菜のヒレカツ、ミニトマト、デザートにポテトチップ、コーラ付き.(ちなみにタクシー料金は12,000円を超えたので、この移動はあまりお勧めしない)

なべくら高原・森の家(地図上★)では、予約に余裕があるようで広いコテージを一人で使わせてもらう.テント、ザックカバー、レインウエアを玄関前の手すりに干して、シャワーを浴びる.一段落して16時半.天気の崩れがなったので、テントサイトに到着すれば久しぶりに快適なキャンプができたことだろう、と想像する.一方で、順調な場合でもまだ野々海峠付近を歩いているはずで、これからまだ1時間以上かけてテントサイトへ向かう段階だと考える.それからようやく、今後の計画に関して具体的な検討に入る.

トレイルのペースを戻すなら、明日、森宮野原へ下る必要がある.信越トレイルクラブ事務局の話によると、朝8時以降なら近場のトレイルヘッドまで無料で送迎をしてもらえるらしい.8時だと少し遅い気もするが、天水山(あまみずやま)からの後半は、下る一方なので問題ないだろうとのこと.念のため、明日送り返す予定だったキャンプ用装備を、一足早く送ってしまうことにする.一気に5kg弱の軽量化になるので相当楽に動けるだろう.

朝8時発となったので、気分的に少しゆっくりする.また必要な荷物を選別して洗濯を済まし、宅急便で送り返すキャンプ用品などを仕分けて預けると、21時近くになっていた.その後はゆっくりと寝るはずだったが、地図を見たりルートマップ見直したりコースタイムを見直したり、いろいろ落ち着かずに過ごすこととなった.

ちなみに、今年から(2022年?)キャンプ場も併設されているらしく、テント泊もできるようだ.計画によっては、最初からここの宿泊を織り込んでも良いかもしれない.(移動手段が確保できれば)

足をキレイに洗ったので、ちゃんとメンテナンスをする事にした.毎朝、両親指とアタリのある2カ所ほどに絆創膏とテーピングをして歩いていたが、右足の親指はマメができてしまっているようだ.ちょうど良いので消毒した針で潰して中を出し、消毒する.4日間歩いた割に、足はきれいだ.距離は長いが険しさはないので、強く踏ん張るような動きが無いためかもしれない.絆創膏は毎日5枚ほど消費するので、明日、補給する必要がある.

信越トレイル・スルーハイク DAY 04

気分的に余裕を持って楽しむことにするが、高温に体力をうばわれ、最終的には時間に追われるトレイルとなった.

予定よりペースが上げられなかったし、どうやら疲れもピークに来ていたらしい、と割りきり、早めに決断して伏野峠でエスケープ.

関田山脈は、長野と新潟の県境だが、車両が通行なのな峠がいくつもあり、それぞれがトレイルの起点となっている.前年の台風の影響で、いくつかの峠は通行止めになっているため、利用する場合には事前に調べた方が良い.

気分を入れ替え、一日早くコテージでゆっくりと休息、これもまたよし

GPSログによるデータ:歩行距離: 13.1km / 総上昇量: 784m / 総下降量: 769m

信越トレイル・各セクション・目次

– 自然との共生とトレイル速度 –

信越トレイルは生態系の保全を第一に考え、人の手によって切り開かれた(手記によると『重機などを一切使用せず、爪で引っかいたような細い一本のトレイル』)自然との調和が主たる目的のトレイルだ.

したがって、荷物が大きい、先に進みたい、急いでいる、などという人間の都合でブナ林と喧嘩するほと愚かな事はない(昨日の私の事だ).4日目は快晴の予想、夜明けと共にホットミルクティーを飲みながら反省する.

ここにはコースタイムなど無いのだ、到達目的地など無いのだ、私がブナ林と喧嘩せず共生しながら進めるスピードがトレイル速度なのだ.

時間をかけてブナ林と対話し、疲れたら休み、景色をたくさん眺め、暑いから水分も充分に摂り、急がずに進んでいけば良いのだ.



関連投稿

広告

コメントを残す