RF85mm F2 Macro IS STMの習作 [うめ]、私はこのレンズを理解していなかったらしい

RF85mm F2 Macroとの出会い

RF85mm F2 Macro [Canon / Amazon]は、2020年末に発売されたレンズである.私は2022年頃にEF85mm F1.8 USMの代替として購入した(ほぼ30年使った古くてそれほど買値も高くなかったレンズの下取り価格が2万円超えていて少し驚いた記憶がある).EF85mm F1.8は決して高性能ではないが、軽くて比較的小さい取り回しの良いレンズだ.F8あたりに絞れば十分な性能を発揮し、フィルム時代から主にスタジオで証明写真やプロフィール写真を撮るときに便利に使っていた.また、外に持ち出して手持ちでポートレートに使用するなど持ち出し頻度の高いレンズであった.このRF85mm F2は、まさにその代替用途である.

最新の光学設計なのでスペックを見ただけでも性能はかなり向上している.構成的にはUDレンズが1枚追加され、ISが搭載されている.データとして、RF 85mm F2は開放でEF 85mm F1.8のF8相当の解像度があることが読み解ける.当時、市場ではボケがやや硬いという評価があったようだが、私自身はこのRFレンズでボケを活かす撮影をあまり考えていなかったので、特に問題を感じたことはない.ただし、開放から十分な解像度があることと、最短35cmのハーフマクロ的な性格を持っているので、何か面白い使い方ができるだろうなと感覚的には思っていた.

習作「うめ」

先日、キッチンの小窓に梅の小枝が生けてあった.そして何気なく撮影したこの写真が、私のRF85mm F2 Macroへの評価と考え方を塗り替えることになったのだ.

カメラはEOS R8、絞りはいずれも開放F2.0.

それほど整理されていない、日常使いの普通のキッチン.ただ、飾られた小枝の雰囲気がちょっと良かったので、私はそれをハードロックカフェのショットグラスに移し替え、なんとなく写真を撮ってみた、というスタート.最初はスマホで撮影、後に50mmを使い、その後は100mm Macroを使ってみたのだけれど、どうもピンとこない.そこで、最近そういえばあまり使っていなかった85mm F2を持ち出してみた.頭では分かっていたけれども、0.35mの最短撮影距離とF2の明るさ、それから焦点距離85mmのハーフマクロの組み合わせが描き出す映像を理解できていなかった.

実際撮影時のワークディスタンスは35cmギリギリ.このショットグラスと、後ろにある窓までは10cm程度しかスペースがなく、しかも窓にはワイヤーが入っているので、背景としてはあまり美しくない.下に50mm F1.8、100mm F2.8 Macroの作例を参考にしてもらうと85mmのショットとの差が分かると思う.

結果として、私はこのRF85mm F2が急に好きになって、その後もいろいろなものを撮りはじめている.普段あまり持ち出すことがなかったRFレンズだったんだけれども、今は必要と感じない時でもカメラバッグに入れてしまうほどだ.

私が所有していた85mmという焦点距離のレンズは基本的に寄れないレンズであった.そのため、マクロ機能が付いているとはいえ、このRF85mmをマクロ的な使い方をするという発想は、正直あまり出てこなかったのかもしれない.マクロは100mmの固定観念もあったと思う.

マクロレンズによる撮影あれこれ

EF100mm F2.8L Macro IS USMは10年以上使っている、今でも主力のマクロレンズだ.実は私の被写体傾向として、プライベートでも仕事でも等倍マクロを使う場面はほとんどなく、私にとっては物撮り用のレンズとなっていた.少し大きめの絵画や置物から、テーブル上の小物や機材など、おおよそ”モノ”の撮影では多用していたと思う.

EF24-70mm F4L IS USMもハーフマクロ対応で、比較的物撮りなんかによく使った.最短撮影距離0.2m、最大倍率は0.7倍で、実際の取り回しは100mm Macroより自由度が高く、ある程度の歪曲が許容できるならば、かなり楽な撮影ができた.

現実問題として、私がRF100mm F2.8 L MACRO IS USMを導入していない理由は、等倍マクロの撮影頻度が低いことと、EF100mm F2.8L Macro IS USMで事足りていることにつきる.まあ「SAコントロールリング」には非常に興味があるのは確かだけど.

RF85mm F2 Macroを自分の標準マクロレンズとしても使おう.使い始めてみると、100mm F2.8 Macroより、撮影体験としては楽な撮影ができていると感じている.

ポートレイト撮影における85mm

85mmは昔から人物撮影に向いているといわれている.私もそう思う.遠近感やら被写体との距離感やら歪曲の少なさやらが、とてもマッチしているのだと感じる.

私はポートレート撮影には長めのレンズを使うことを好むので、基本的には昔から70-200mm F2.8Lを持ち出すことが多い.スタジオとかでも多少無理してでも使ったりする.ボケ感が欲しい時やフェイスのアップなどを撮影する時には、EF85mm F1.4L IS USMを使う.開放からF4ぐらいまでの間で使うことが多い.全身のショットなどは24-70mm F2.8Lで撮ることもある.で、結果としてRF85mm F2 Macroの出番はそれほど多くないのが現実だ.

RFシリーズにはRF85mm F1.2 L USMがある.誰でも知っててとてもわかりやすい、”重くて大きくて高い”レンズだ.個人的には描画性能はポートレイト向けというよいアート、ファッションに向いていると思われる、開放からコントラストとシャープネスが高い素晴らしいレンズである.私自身はDSレンズ(Defocus Smoothing)に興味があるのだが、価格の高さと重さ、ピーキーな性能ゆえに、なかなか手を出せないでいる.

実際はF4.0より開放側で撮影するポートレイトはそれほど多くないので、EF85mm F1.4Lでまだいけると考えているのだろう.でも次の撮影ではRF85mm F2 Macroをポートレイトレンズとしても使って見ようと考えている.その結果によっては、85mmレンズの構成がまた変わるかもしれない.

RF「竹」レンズシリーズ

RFシリーズになってからのCanonのラインアップには魅力的な「竹」レンズが多い.高性能で高額なLレンズを「松レンズ」として、以前の EF系列ではレンズと、安い「梅レンズ(無印)」の二極化だったと思う.もちろんEF無印の中にも優れた使い勝手のレンズは存在したが、仕事でもプライベートでも結局使うのはLレンズであった.しかし、RFレンズになってからは、「梅」レンズは存在せず、無印は中間に位置する「竹レンズ」が主体となった.

全体的に値段が安いので、各所に若干の手抜きは見受けられるものの、写りに関してはそれぞれそこそこ満足できるレベルにある.私も、16mm / 28mm / 50mm / 85mmの竹単焦点レンズを愛用している.

現状、サードパーティー製のAFレンズがないRFシリーズではあるが、純正でこれだけのレンズが揃えていることが、Canonとしての答えなのかもしれない.



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